Kiyohime by Kokei Kobayashi 今日、ご紹介させていただくのは、「鐘が岬」。あの有名な「道成寺」に題材を取った地歌舞です。 能の「道成寺」があまりに成功したため、この作品を元にして、歌舞伎の「娘道成寺」、浄瑠璃「道成寺」、そして琉球組踊の「執心鐘入」などが作られました。 「鐘が岬」は、歌舞伎役者の初世中村富十郎が、1753年江戸中村座で「京鹿子娘道成寺」を演じて当たりを取った後、大阪へ帰って1759年に「九州釣鐘岬」の大切(おおぎり)に再演したものが、そのまま舞踊の地が地歌に残ったものとされています。 そのベースとなったのは、安珍・清姫伝説。奥州白川より熊野に参詣に来た僧、安珍に執心した、安珍が宿を借りた真砂の庄司清次の娘、清姫が、裏切られた激怒のあまり蛇に変化し、道成寺で鐘ごと安珍を焼き殺すという内容です。 能の「道成寺」は、その後日譚で、道成寺の鐘供養に現われた白拍子が、舞を舞い歌を歌い、隙を見て梵鐘の中に飛び込みますが、祈祷によって持ちあがった鐘から現れ出たのは蛇の姿でした。僧侶の必死の祈りに川に入水します。 地歌舞「鐘が岬」では、道成寺の物語に託して、廓づくしと恋心が舞い上げられます。 この十月、大原は実光院にて開催させていただく「月と舞と琴と歌」にて、私はこの鐘ケ岬を舞わせていただく予定です。 清姫に身を重ねつつ、女性の情念とともに、そこからの解脱を志す強い思いをも、舞わせていただけたらと思います。 歌詞: 鐘に怨みは数々ござる 初夜の鐘をつく時は 諸行無常とひびくなり 後夜の鐘をつく時は 是生滅法とひびくなり 晨朝の響きには生滅々為 入相は寂滅為楽とひびけども 聞いて驚く人も無し われは五障の雲晴れて 真如の月を眺め明かさん 言はず語らず我が心 乱れし髪の乱るるも つれないは只移り気な どうでも男は悪性な 桜々とうたはれて 言うて袂のわけ二つ 勤めさへただうかうかと どうでも女子は悪性な 吾妻そだちは蓮葉なものじゃえ 恋のわけ里数へ数へりゃ 武士も道具を伏編笠で 張りと意気地の吉原 花の都は歌で和らぐ敷島原に 勤めする身は誰と伏見の墨染 煩悩菩提の撞木町より 浪花四筋に通ひ木辻の禿立ちから 室の早咲きそれがほんの色ぢゃ 一い二う三い四 夜露雪の日下の関路を ともにこの身を馴染みかさねて 中は円山ただまるかれと 思い染めたが縁じゃえ Today, I would like to introduce you to the background and story of a famous Japanese Traditional Dance called, Kane ga Misaki or Cape of the Bell. The story is based on a famous noh playContinue reading “鐘ケ岬 Kane ga Misaki, or Cape of the Bell ”