いよいよ厳しい寒さを感じる今日この頃ですが、いかがお過ごしでしょうか。
わたしはといえば、思い立って、江戸のころは花街(歌舞音曲を伴う遊宴の町)として名を馳せた、京都の島原を訪れてきました。
きっかけは、今お稽古している、地唄舞「茶音頭」。
「・・・廓(さと)は 都の未申(ひつじさる) すきとは 誰が名に立てし 濃茶の色の深緑 松の位に くらべては 囲いといふも 低けれど 情けは同じ 床飾り・・・」
都の未申(南西)の方角にあった廓とは、京都の島原。
(夫ルーディーも付き合ってくれて^^)
今回、実際に訪れて、初めて、島原が、茶に、俳諧に、書に、絵に、と文化文芸の盛んな、風流を好んだ人々の集まるサロンのような場であったことを知りました。
島原の揚屋「角屋」の大広間「松の間」の庭、側面図。
「松の間」正面、臥龍松の庭。
「松の間」の襖絵は、幕末の絵師、岸連山による「金地桐に鳳凰」
茶音頭の歌詞を現代の言葉にすると、こんな感じ:誰が島原の廓の風流を数寄(すき)と呼び、その名を広めたのでしょうか、そこで立てられる茶の湯の色は深緑、その緑の松の位(島原の太夫)に比べれば、囲い女郎の意にも通じる茶のための仕切った空間「かこひ」にいるわたしは、身分は低いけれど、情を理解するという意味では引けを取りません、同じ床飾りではありませんか・・・。
さて、その「茶音頭」ですが、もう三日後に迫る12月10日、大阪の山本能楽堂で舞わせていただきます。地方は、松島弘美さん、井上満智子さん、大濱邦子さん。
立方は、もうお一人が、地唄舞花崎流の家元でいらっしゃる、花崎社季女さんが東京からご参加されます。他に、筝曲が萩原美和子さんと本沢美知子さん。
どれもこれも、見どころのある曲どころばかりです。
師走の土曜日、何かとお忙しい毎日かと存じますが、ご都合が合いましたら、ぜひどうぞ。
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